GOODなコーヒーとは、
生産者、消費者、自然のすべてが
サステナブル(持続可能)であるということ。
気候変動の影響により2050年までにコーヒーの生産量は半減するとも言われ、また、多くのコーヒー生産者は正当な対価を得られず生産コストすら賄えていない状況です。今後も質の高いコーヒーを飲み続けるためには、GOODなコーヒーづくりが必要不可欠です。産地直送で皆さまの手にコーヒーをお届けするまで、GOODなコーヒーがどのような旅路をたどってくるのかご紹介します。
HOW TO MAKE A GOOD COFFEE
GOODなコーヒーができるまで
わたしたちが目指すGOODなコーヒーの作り方と、一般的なコーヒー生産地が抱える社会問題を比較しました。
STEP 1
栽培と収穫
栽培と収穫
GOOD COFFEE FARMS
持続的な農業を可能にする農家の収入確保
中間業者を挟まず自ら出荷まで行ったり、完熟チェリーのみを丁寧に手摘みしたり、品質へのこだわりで収益は約3倍に。制服や朝礼など日本式の働き方を実践し、誇りを持って働いています。
OTHERS
最低限の生活も困難なコーヒー農家
収穫したチェリーは、市場価格に左右され、生産コストも賄えない低価格で買い叩かれることも。離農する農家の増加、未成年者や女性の長時間労働などの社会問題は絶えることがありません。
STEP 2
精製
GOOD COFFEE FARMS
自転車をこいで、環境負荷ゼロ
ドライバイシクルパルピング*で生豆を取り出せば、水、燃料、電気は全て不使用。環境に優しく、かつ金銭的な負担も少ない。小規模農家を救う画期的な精製方法です。
OTHERS
大型設備による、CO2排出と水源汚染
燃料や電力を使う精製設備により、大量の水を使用し、使用後の汚水の大半は川に捨てられます。また、精製設備は非常に高価で、小規模農家は所有できません。
*わたしたちが独自に開発した自転車脱穀機を用いたプロセス
STEP 3
乾燥
GOOD COFFEE FARMS
日本式ビニールハウス
虫、ホコリや泥のない清潔な環境で、湿度や温度を徹底管理しています。雨天時も雨よけとして有効で、かつ低コストでコンパクトなサイズ感のため、目の行き届く管理を行うことができます。
OTHERS
天日・機械による乾燥
よく見られる天日乾燥は、野ざらしのため、天候変化への対応や、ホコリや泥の混入など品質管理が難しく、熱風による機械乾燥は、燃料を使用し、金銭的に負担がかかります。
STEP 4
廃棄物の処理
GOOD COFFEE FARMS
アップサイクル*
廃棄されるコーヒーチェリーの果皮を乾燥させたカスカラ、伐採されたコーヒーの木を加工したコースターやスプーンが、農家の新しい収益にも繋がっています。
*廃棄物などを新しい素材やより良い製品にして価値を高めること
OTHERS
生産国の自然破壊問題
コーヒーチェリーの果皮は山積みのゴミとなり、腐敗した果汁が川に流れ水源汚染を引き起こしています。また、伐採後の廃材は乾季に山火事が燃え広がる要因となっています。
わたしたちと取り組むSDGs
おいしいコーヒーを飲んで、一緒にSDGsを実現しましょう!
・コーヒー農家の収入が3倍!
・アップサイクルで農家が新たな収入源を確保!
・自転車の活用により、精製で排出する水はゼロ!
・廃棄物の有効活用で、水源汚染の原因を排除!
・自転車脱穀で精製時の燃料、電気使用ゼロ!
・ビニールハウスで乾燥時の燃料、電気使用ゼロ!
コーヒーで世界を変えよう。
世界中で広く愛され、日本でも1週間に平均12杯も飲まれているコーヒーですが、生産や流通の現実、生産者が直面する課題について語られる機会は少ないです。18歳で日本へ渡り、この現実に直面した創業者のカルロス・メレンが、様々な縁を繋ぎ、生産者の想いを紡ぎ、GOOD COFFEE FARMS設立に至った物語をお届けします。
2011〜
このコーヒー、どうやって作られたの?
創業者のカルロスは、来日して初めて母国グアテマラがコーヒー大国として認識されていることを知りました。それまで日本で無名のグアテマラ出身である事実をコンプレックスに感じていましたが、自分が人生で授かったものはコーヒーに違いない、コーヒーで何かできることをしたい、と悟ります。無経験で挑戦した貿易では失敗が続きましたが、その過程で日本にはすでに最高級のコーヒー豆が集まっていることを知り、グアテマラ人がグアテマラの輸入コーヒー豆を厳選する最高級ブランド・DARKS COFFEE(ダークスコーヒー)を2011年に立ち上げました。当時このコンセプトは他になく、日本で受け入れられただけでなく、グアテマラでテレビや新聞に取り上げられました。
しかし、新たな課題が浮かび上がりました。グアテマラ人なら当然知っているだろう、とコーヒーがつくられた農園のことから、フェアトレード、農薬のことまで、詳細に質問を受ける機会が増えたのです。仕入先の商社に聞いても答えを持っておらず、直接生産者とやり取りをすることにしました。そうして見えてきた現実は、想像をはるかに超える悲惨なものでした。コーヒーは生産工程で地域のコーヒーが一箇所に集められゴチャ混ぜにされることが一般的なため、そもそもつくり手まで辿ることも不可能だったのです。このトレーサビリティの問題を突きつけられたカルロスは、解決策を見出そうと調査を開始しました。
2016〜
新たな挑戦の始まり。
コーヒーは赤い実(コーヒーチェリー)の収穫から輸出までに、脱穀・発酵・乾燥等の多くの生産工程(精製)を経ますが、全体の9割を占める小規模農家は収穫までしか行っていません。この現状はトレーサビリティだけでなく、小規模農家が公平な対価を受け取れていない構造や、大規模な機械で効率化が追求されることによる環境破壊等、様々な問題に繋がっています。そこで、カルロスは、2017年1月に自転車式の脱穀機を開発しました。水、電気、燃料を使わず環境に優しい他、安価で小規模農家でもすぐに取り入れることができます。また、小規模農家自ら精製を行い、コーヒーに付加価値をつけることができる代物です。
画期的な取り組みはすぐにメディアに取り上げられ、噂を聞きつけた生産者が次々と集まりました。しかし、報われないコーヒー生産の現状が続いていたからなのか、彼らの目に光はないようにも思えました。そこで、カルロスは、彼らに希望を見せるべく、日本でみたマグロや夕張メロンの初競りに似せたオークションを1杯のコーヒーで行うことにしました。イベントは大成功し、信じがたい話ですが、最高額はなんと9万円にも及んだのです。目の前で世界観の変わる出来事を見せられた多くの生産者は、カルロスについていくことを決意し、彼の定める厳格なルールをも遵守するチームメンバーとなりました。
2019〜
日本へ、ストーリーを届ける。
200名を超える生産者が集い、彼らの意識の変化を確信したカルロスは、2019年に日本へ初めての輸出を行うことを決めました。「GOODなコーヒーをGOODなCoffee Farming(コーヒー作り)で実現している」と賞賛を受けたことをキッカケに、GOOD COFFEE FARMSという名前を正式に採用したのもこのタイミングでした。日本には顧客もスタッフすらもゼロの状態での7トンのコーヒー豆の輸入は誰が見ても無謀な挑戦でしたが、成功を信じて東京で毎年開催されている日本最大のコーヒーの展示会であるSCAJへ単身で乗り込みました。
自転車でつくるスペシャルティーコーヒーというコンセプトは、日本のコーヒー関係者のみならず、アフリカ・中南米・アジア等他の国のコーヒー生産者からも注目を集め、コミュニティをゼロから大きく広げることができました。有り難いことに、SCAJでの繋がりから、毎年継続してコーヒーを購入して下さるパートナーの方も多くいらっしゃいます。2020年2月に株式会社を設立後すぐに新型コロナウィルスが猛威を振るった逆境の中でも、私たちのGOODなコーヒーを、そして生産者のストーリーを、日本に届け続ける原動力となっています。
present
世界中でサステナブルなコーヒー革命を。
現在、北は北海道、南は沖縄まで、100を超えるパートナーにGOODなコーヒーを取り扱いいただいており、沖縄では、現地の小規模コーヒー農家や大学の方々と一緒に、コーヒーを学び研究できる場作りにも取り組んでいます。また、エルサルバドルやコスタリカ等の中米の国々やアフリカ等、他の生産国へプロジェクトを拡大し、より多くのコーヒー農家をサポートすることのできる体制を整えています。生産者、消費者、自然環境、すべてにとってGOODなコーヒーにあふれる世界を目指して、私たちの挑戦は続きます。一杯のコーヒーから世界を変えましょう!